イカは減ったのか?それとも釣れないだけ?

エギングについてですが、10年前に比べるとイカが明らかに釣れなくなってきているそうです。

なぜ釣れなくなったのか、その原因について考えてみようと思います。

 

3つの可能性が考えられます。

  1. イカ全体の個体数が減った
  2. エギンガーの乱獲によってイカがいなくなった
  3. イカが学習して餌木に警戒するようになった

1つずつ解説していきます。

 

1.イカ全体の個体数が減った

まず、1について考えています。

イカの個体数が減る、つまり日本近海に生息しているイカの数が減っている可能性ですが、多少はあるように思えます。

地球環境の変化によって海の生態系に変化が生じてしまうと、その影響はイカにも及ぶはずで、その影響がイカの繁殖に悪影響となるならばイカの数は減ってしまうでしょう。地球温暖化または海水温上昇による「サンゴの白化」がまさにそうですね。

しかし、スーパーやコンビニに行くとスルメや刺し身や寿司がたくさん販売されています。もしイカ全体の個体数が減少しているのであれば、ニュースになったり商品価値上昇による値上がりなどが生じるはずですが、今のところそのような変化はないように思えます。

そう考えると、1の可能性は低いと思われます。

 

 

2.エギンガーの乱獲によってイカがいなくなった

次に、2について考えてみます。

今現在、エギングは釣り人(アングラー)の間で大流行中です。(自分もその1人ですが。。)漁港に釣りに行くと、シーズン中にはびっしりとエギンガーが並んでします。日本全国で考えると相当な数だと思います。

その結果、エギンガーによる乱獲でイカの個体数が減少している可能性と考えたのが2ですね。

 

しかし、これには反論があります。

エギンガーがいくら増えたとはいえ、釣りができる場所は漁港、波止、地磯など、エギング道具を持ち込める場所に限られています。エギンガーはその限られた場所に集中しており、日本全国の海岸線の割合からすると、釣り場所が占める割合は極僅かです。

イカの個体数がエギンガーの乱獲によって減少しているという説は、場所が釣り場のみに限定された話である可能性があります。

多くの釣り人がエギングしている場所では、イカはどんどん釣られていくので、一人あたりが釣れるイカの数も相対的に減ってしまいます。

ということは、一人あたりに釣れる数が減っただけで、イカ全体の個体数に変化は生じていないかもしれません。

10年前からエギングしている人たちにとっては、10年前は100杯のイカを5人で釣っていたのが、現在は100杯のイカを100人で釣っているとしたら、当然「10年前に比べて釣れなくなった」となってしまうわけです。

なので、エギンガーによるイカ乱獲が個体数減少の原因と考えるには説得力に欠けます。

しかしながら、限られた釣り場所に皆が密集しればその場所からだけイカがいなくなることは考えられますし、その場所を回遊ルートにしているイカの数は減少する可能性はあります。

とは言っても、イカは釣り場所周辺だけに存在しているわけではありませんからね。

沖にはものすごい数のイカ達がいるはずです。夜焚きイカの船釣りではバンバン釣れてるようですからね。やはり、イカ全体の個体数がエギンガーの乱獲によって減少しているというのは考えにくいです。

 

3.イカが学習して餌木に警戒するようになった

次に、3について考えてみます。

イカの知能はかなり高いことが知られています。イカの脳のサイズは相対的に見れば、魚類や爬虫類よりも大きく、鳥類や哺乳類に肉薄しているらしいです。

また、イカは社会性を持ち集団で行動しているとも言われ、群れには『順位制』が見られるといいます。それは、相当程度にレベルの高い認知能力がなければできないことで、イカは学習能力が高く、短期記憶ばかりでなく長期記憶もある、という実験結果もあるそうです。

 

そうなると、イカ達は餌木の危険性について学習している可能性があります。

 

しかし、このイカの学習能力によって10年の間に釣れなくなったと考えるのは、これまた説得力に欠けます。

なぜなら、イカの寿命は1年だからです。

餌木の危険性を親イカが学習したとしても、それを子孫に受け継ぐことはできないはずです。なぜなら、イカは産卵後に力尽きてしまうからです。生まれた子イカは、親イカと一緒に過ごす過程がないため、親イカとのコミュニケーションによって餌木の危険性を学習することができないのです。

人間の場合は、子供を教育するという知識の伝承が可能ですね。伝承の媒体は、言葉や文字です。

しかし、イカは文字を持っていないため人間と同じことができません。何らかのコミュニケーション能力を持ち合わせているとしても、それは生きている間の情報交換であって、親から子に伝承できる情報は遺伝子に限られます。

果たして、遺伝情報に餌木の危険性を10年の間でインプットすることが可能でしょうか?たぶんそれは無理だと思います。

ということで、イカの知的能力によってイカが釣れなくなったとは考えられません。

 

ただ、子イカの時から餌木を見続けてきた親イカを釣るのは、そうでないイカに比べて難しいでしょうね。そういう意味では10年前に比べて釣りにくくなっているのは間違いないと思います。

10年前は今ほど海中に餌木が泳いでいなかったはずですからね。。

 

まとめ

たぶん、イカ全体の個体数は年ごとに多少増減しているとしても、全体的に減少傾向が続いていることはないと思われます。

子イカの時から餌木の危険性を学習してきた親イカが増えてきたことが10年前に比べて釣れない原因かもしれません。

 

 

以上、10年前に比べてエギングでイカが釣れにくくなった原因について、でした。

あくまで個人的な結論なので、参考程度でお願いします。